スタンフォードの監獄実験というのがありますよね。
大学生に刑務所の中のシミュレーションをしてもらう実験です。
実験結果を言うと、人はいとも簡単に邪悪な存在になり、非人道的なことをする。
という報告でした。(性悪説の証明)
しかし、その後、スタンフォードの監獄実験が、研究者の嘘だったことが証明されました。
なぜ教授は嘘をついたのか、捏造したのか?そういったことを【希望の歴史:書籍】で紐解いています。
また、第二次世界大戦時のナチスの話も出てきます。
ドイツ兵は他国の兵士以上に、勇敢に戦ったそうです。
なぜドイツ兵が勇敢に戦ったかというと、ヒトラーのビジョンに共感していたからでも、ヒトラーを尊敬していたからでもなく、純粋に友達(仲間の兵士)を守るために戦ったそうです。
しかし、ナチスの幹部たちは、そういった人間心理をわかっていたので、戦争に参加させる若者たちを旅行に行かせたり、合宿に行かせたりして、仲良くさせてから、戦争に参加させていたそうです。
鬼畜な話ですよね。
【希望の歴史:書籍】では、このようなことも紐解いていました。
かなり興味深い話が多く、人間は性悪か?性善か?深く知りたい人にお奨めできる書籍です。
・希望の歴史(上巻)
読んで私が印象的だった事項を、ざっくりまとめると、以下のようになります。
●本来、人の基本は親切で優しい、善性である。しかし少数派ながらサイコパスや社会病室者もいる
※私の考察】サイコパス、社会病室者は少数派だが、インパクトが強いので印象が強く、記憶に残りやすいので多い印象を得がちだが、実数は少ない。
しかし少ないからと言って、安心な世の中か?と問うとそうとは限らない。
なので、少数派ながらサイコパスや社会病室者がいるので、細心の注意は必要と思う。
●人は社会の中で生きる生き物だ。そして基本、人間は各々凡人だ。
凡人だからこそ、共感力があって、コミュニケーション能力が高かったりする。
それ故に、良い情報が人から人に拡がり、人類種全体としてレベルが上がりやすくなる。
※私の考察】正しい、よい情報が拡がる良い面もあるが、誤った情報、偏った情報、トンデモ情報が拡がる温床でもある。
それ故に、メリット/デメリットがあり、情報を吟味する必要がある。
●天才集団は、コミュ障が多く、個人としては優れていても、有用な情報を人に伝播するのが苦手なので、発明が拡がらなかったりする。
それゆえに種全体としては、各々バラバラで全体としての進化度は低い
●人懐こく、人馴れしている人の方が、コミュニケーション能力が高いので、人と係わり、良い情報を互いに与え合える。
それ故に人馴れしている人の方が進化率、成長率が高い傾向がある。
●天才気質で、人嫌いだったり、コミュ障だと、一匹狼になりやすいので、人との接点が少なくなる。
それ故に、優良な情報が乏しくなるため、進化率が少なくなる傾向がある。
・希望の歴史(下巻)
●共感よりも思いやりが大事、共感のみでは疲れて、疲弊して共倒れになるケースあり、共感力は大事だが、共感力が強すぎると弊害が多々ある。
共感はもろ刃の剣的な要素がある。
しかし、思いやりはもっと健全で健康だ
思いやりは共感力以上に、前向きで建設的な事項である。
●信用する、信頼することが大事、裏切ったり、裏切られることもあるが、人を信頼できる自分であるからこそ裏切られることがある
自分が「人を信頼できる」という自分の善性を愛することも大事
●人を汚物扱いすると、その人は汚物のような人間になってしまう、人を人として尊重して扱えば、人は尊敬され重宝される人間になる
※私の考察】人をどのようにみるか、扱うかも大事だが、何よりも自分自身が自分をどうみているか、扱っているか?それこそが最高に重要である。
●人は、近い人、良く合う人と親しくなる。そういう法則がある、馴染み、近い人が親しい人になるのだ
●アイデンティティを持ち、他者他所を認め受け入れ、多様性を受け入れることが大事、しかしアイデンティティがないと埋もれてしまうのでダメ
※補足】アイデンティティとは
自分が自分であること、さらにはそうした自分が、他者や社会から認められているという感覚
大事なことは、アイデンティティをしっかり把握し保持していることが重要、且つ、それを他者に押し付けない事、他者のアイデンティティも重要、互いに重要なのだ。
●自分が行う善行を恥じてはならない!勇気を出して善行を行おう!